2012.05.01
青葉通信5月号 巻頭言
事業所長 武者 明彦
2011年度事業報告
近くを流れる空堀川の両岸が、菜の花の群生で黄色に染まっています。一年で一番良い季節になりましたね。さて、決算の作業もほぼ目処が立ってきましたので、昨年度(2011年度)を振り返り、新しい年度(2012年度)の課題を確認したいと思います。
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昨年度は、当センターが障害者自立支援法に基づく事業に移行して5年の節目の年度でした(第三ワークセンターを除く)が、事業ごとの重点目標の達成状況は、次のとおりでした。事業の内容は、その都度ホームページのブログや、毎月発行している「青葉通信」を通じて、新鮮な情報をタイムリーに発信するよう努めました。
① 就労支援事業(作業活動による事業)
メールサービス事業の市場環境が厳しさを増す中で仕事の確保が思うように進まず、大変難しい状況が続いています。2010年度下半期から、葛飾福祉工場の協力で防災用品の販売(物販)に取り組んでいますが、昨年は消費期限が短くなったものやカタログ落ちした商品を仕入れ近隣住民に廉価で販売する、アウトレット販売を行いました。また清掃受託、高齢者施設でのベッドメイク作業、スーパーマーケット(コープとうきょう)におけるバックヤード業務など、外部に出向いての作業も積極的に行いました。こうした取り組みを進めているところですが昨年度の売上高、加工高は、何れも目標および前年度実績を下回る結果となりました。今年度は被災地の施設から仕入れた商品を販売するなど、物品販売事業にも力を入れて取り組むことにいたします。
② 就労移行支援事業
支援課就労支援係を設けて3名の従業員を配置し、本格的な活動をはじめました。グループによる就労を軸に、単独では就労が困難な利用者でも、複数の利用者が役割分担しながら総合力で仕事ができるよう事前訓練を実施し、チームとして雇用してもらえるよう支援しています。また各自治体の就労支援、相談機関との連携を密にし、雇用に結びつける機会を増やしています。こうした取り組みの結果、昨年度は7名が就職できました。このうち4名は就労移行支援事業およびトーコロ青葉第三ワークセンターの利用者からなるグループでの雇用でした。今年度も就労訓練として、近隣の環境整備を行うなど、就労につながる取り組みを強化します。
③ 就労継続支援B型事業
個別面談などを通じ利用者一人ひとりの個別目標をご家族と共有し、個々の利用目的に沿った支援を行うように努めています。従来からメールサービス課を中心に、作業活動に重点をおいた日中活動支援を行ってきていますが、プログラム活動も当センターの重要な支援の柱になっているので、作業活動とプログラム活動のバランスをとりながら、さらに充実した支援ができるよう工夫しています。3月11日の東日本大震災以降、危機回避の観点から、遠方への外出を伴うプログラムの一部を中止しました。併せて土、日に実施していたマージャン、カラオケ、東京ウォーカーなどのサークル活動は、従業員の休日勤務体制を維持することが困難なこともあって、昨年度は実施しないことにしました。中止したサークル活動の一部は利用日のプログラムとして実施する方向で数回試行し、参加状況などを見ながら順次導入しています。
④ 多機能型事業所の定員拡大
多機能型事業所のトーコロ青葉ワークセンターは、就労移行支援事業(定員15名)、就労継続支援B型事業(定員50名)を実施してきましたが、今年4月1日からB型事業の定員を80名に増やし、多機能型事業合計では95名の定員としました。今日現在就労移行支援9名、B型事業87名の計96名が利用しています。
⑤ トーコロ青葉第三ワークセンター(精神障害者通所授産施設)
精神障害者に特化した就労継続支援B型事業に移行する計画でしたが、東京都との協議の結果、多機能型事業所の定員変更(B型の拡大)を行い利用者の受け入れ先を確保した上で、今年3月31日(前年度末)を持って施設閉鎖を行ないました。
⑥ 生活介護事業
利用者の1日の過ごし方が多様になってきている実情を踏まえ、生活介護事業を立ち上げ、作業中心の過ごし方が難しい利用者や、常時見守りが必要な利用者について、創作活動やプログラム活動を中心に支援することを計画しましたが、利用者やご家族との面談等を通じてニーズ調査を行った結果、利用希望者がいなかったことから、当面の実施を見送ることにいたしました。
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4月から個別支援計画の見直し面談が始まっています。当センターでの日中活動支援の場面のみならず、ご家庭での生活場面においても今後の展望を持ちながら、一人ひとりが、夢の実現に近づくことができるよう、確認しあう大切な機会ですので、ご参加をよろしくお願いします。