2013.03.01
青葉通信3月号 巻頭言
事業所長 武者明彦
東村山警察署の横に形の良い梅の木が植えてあって、ちらほら咲き始めた紅梅がいい香りをさせています。思わずいつも鞄に持ち歩いているカメラで1枚カシャリ。梅一輪 一輪ほどの暖かさ(服部嵐雪)であって、東京はまだ寒い日の方が多いようです。
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先日、施設の食堂の献立に「さごしのみそマヨネーズ焼き」が載りました。事務所の中のだれも「さごし」がわからず、ネットでちょんちょんと探ったところ、サワラの若魚のことであることが分かりました。関西以西ではこの呼び名が使われているようで、「さごし」は狭腰、ちなみに「サワラ」は狭腹が語源だそうです。一般には「サワラ」は鰆であり、春の訪れを告げる魚の代表格です。春の魚の若魚で一足早い春を食することができました。この時期のメニューに加えてくれた栄養士のセンス(と、おそらくは値段も手ごろ?)に感謝。
それにつけても、2年目が過ぎた被災地で、被災された方がたは今どうしているか。昨年の7月から、東京コロニーからも多くの従業員が陸前高田のJDFいわて支援センターに入り、通院や買い物の手伝いをする生活支援を行ってきましたが、冬場の支援は慣れた人でも危険が伴うとの支援センターの配慮で、現地支援は11月をもって一旦中断しています。多くの国家予算がつぎ込まれていることになってはいるのですが、陸前高田では冬場の支援者も満足に確保できておらず、被災した、特にお年寄りや障害者が不自由な生活を強いられていることは容易に想像できます。また、ぎりぎりの人数でセンターを支えるスタッフも、限界近い働きをしていると聞きおよんでいます。
東京コロニーとしては、雪解けを待って、来年度も被災地に従業員を送って生活支援を行うことにしていますが、できることには限界もあります。片方では復興特需などという話も聞こえてきますが、陸前高田のようにまったく手付かずといっても良い状況の地域もたくさんあり、そうした地域にこそ国のお金を投入すべきだと思います。
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梅は春の先駆けであって、東京の桜の春はまだ先です。そして東北の桜はもっともっと先のことです。冬場の東北を知る身には気にかかるところです。