司法書士 高橋 聡英
前回(2014/8/31)の続き
今回は、裁判所に申立をする方法やその後の手続についてお話しします。
Q1 どの裁判所に提出すれば良いのでしょう? <申立をする裁判所(管轄)>
本人の住所地(=住民登録をしている場所)を管轄する家庭裁判所です。
本人の住所地(住民票)が東京都にある場合は、次のとおりです。
・23区(および諸島)の場合 東京家庭裁判所後見センター(千代田区霞が関)
・上記以外の市町村の場合 東京家庭裁判所立川支部後見係(立川市緑町)
Q2 申立の時、お金を用意する必要がありますか? <費用について>
すでに記載してきたとおりですが、印紙代+切手代などで合計6,600円~8,300円
さらに医師の鑑定が必要な場合にはその予納金(事例によって異なりますが5~10万円)を用意する必要があります。
Q3 申立をした後、手続をやめることはできますか?
いったん申立をすると、その申立を取り下げる(とり止める)には、家庭裁判所の許可が必要となりますのでご注意ください。
Q4 いきなり裁判所に書類を持っていって良いのですか?
東京家庭裁判所に申立をする場合、事前に提出先の裁判所に電話をして面接日の予約を行ってください。通常、申立後すぐに、ご本人や申立人について家裁で面接を行います。
また、申立書類については、その面接日の3日前(休日除く)までに提出をするようにしてください。郵送でも大丈夫です。詳細は係の人に聞きましょう。
Q5 申立の後、面接をすると聞きましたがどんなことを聞かれるのですか?
申立時の面接では、概ね、次のようなことを聞かれるようです。
・申立に至る事情
・本人の生活状況、判断能力、財産状況
・ほかの親族の意向
・後見人等の候補者について、その適格性(財産を管理する立場にふさわしいか)など
Q6 本人に対しても面接を行いますか? 裁判所に行かなければならないのですか?
はい、本人の意見を聞かれることもあります。本人が家庭裁判所まで出向くことが可能であれば、申立の時に一緒に行きます。体調等の原因で本人が出向くことができなければ、後日、家裁の担当者が家や病院に面接に来ます。
Q7 面接が怖いです。
家裁の職員の人と面接、というと大変怖そうで緊張しますが、皆さん、概ね丁寧に対応してくれています。ただ、本人の財産の管理については、きちんと管理できるかどうかについて詳細に尋ねてくる場面が増えている傾向があります。面接は1時間程度で終わることが多いようですが、長くなることもありますので時間には余裕を持ちましょう。