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平成26年度 福祉サービス第三者評価の結果について

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2015.01.15

青葉通信1月号巻頭言

事業所長 武者明彦

DPP_冨士山(ブログ用)2通勤途上の普段何気なく見ているバスの窓から、思いがけない大きさで真っ白な富士山が見えた時。夕暮れ時うっすらと赤みを帯びた空を背景に薄紫色の富士山がバックミラー越しに見えた時。この季節は空気がさえわたりすっきり晴れる日が多いためでしょう。そんな時はラッキーな得をした気分になれます。さて本稿では、昨年実施した福祉サービス第三者評価の調査結果が評価機関より届きましたので、利用者支援に関する部分を中心にその概要をご報告します。

 この事業は、当センターが提供するサービスの質を、第三者機関に客観的な立場から総合的に評価してもらい、評価を踏まえたサービス改善計画を作り、利用希望者が自分に合った質の高い福祉サービスを選択、利用できるようにすることを目的として行うものです。評価に先立って行われた調査内容は従業員個々に対するアンケート調査、利用者個々に対するアンケート調査、調査機関が当センターに来て行う聞き取り調査でした。調査項目は160項目余りで、すべて根拠となる資料の提出が求められました。

 

1.利用者調査全体のコメント

①総合的な満足度としては、「大満足」が34%、「満足」が51%となっており、満足と答えた人が85%を占めました(前回2013年度は80%)就労移行の満足度としては、「大満足」が33%、「満足」が67%となっており、満足と答えた人が100%を占めました。就労継続B型の満足度としては、「大満足」が34%、「満足」が50%となっており、満足と答えた人が84%を占めました。

②設問の中で「はい」の比率が高かった上位項目(各々92%、59人)は、「 あなたの周りにある設備は安心して使えますか」、「 あなたは、事業所の生活スペースは清潔で整理された空間になっていると思いますか」、「あなたのプライバシー(他の人に見られたくない、聞かれたくない、知られたくないとおもうこと)を職員は守ってくれていると思いますか」等でした。

 

2.事業者が特に力を入れている取組

利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している:個別支援計画は利用者が働くことの意義や意味、将来的な課題も含め記録されている。支援記録はひとり一人のニーズがきめ細やかにとらえられ、生活面の幅広い情報の分析により生活全体が見える記録となっている。担当者会議録は計画に沿った支援実施の確認や日常の行動が簡潔に記録されている。メーリングリストに全従業員が参加し情報にリアルタイムで対応し職員間で共有している。

事業所の機能や福祉の専門性を生かした取り組みがある:障害者雇用のパイオニアとしての社会的役割ととらえ、施設通所が困難な重度の身体障害者の方々の在宅就労に取組んでいる。利用者の自宅にセキュリティや通信環境を整える準備を進めるなど、今後就労継続B型の新たな在宅での就労の開拓に取り組んでいる。

利用者意向の集約、分析とサービス向上への活用に取り組んでいる:年2回の個別面談を通じて必要な障害福祉サービスなどのニーズを直接聞き取り把握している。面談デ把握できた生活の場の状況と課題を分析し、「地域生活の状況と課題」として利用者の親亡き後の生活ニーズ等の整備を行政に働きかけている。このほか暑気払い、青葉祭、日帰り旅行、忘年会の内容など、利用者支援にかかわる様々なアンケートを実施し、利用者の意向の反映に努めている。

 

3.全体の評価講評:特に良いと思う点

プログラム活動は家族を含むボランティアが充実、利用者のQOLの向上に役立っている:利用者の希望を取り入れ、内容は趣味的なもの、健康的スポーツ、日常生活に役立つもの等10種類が用意され好評を得ている。毎月発行の「青葉通信」を通じて各自が申し込むシステムで、決定のお知らせには同行する職員名が明記してある。各フロアに掲示し情報の提供をしている。参加することにより人間関係の充実が図られている。

利用者の生きがいや生活向上のためのサービス提供は他事業所のモデルとなっている:法人理念の「当事者による当事者のための事業」を源流に、企業的経営手法を取り入れ生産性の向上をめざし利用者の工賃アップを目指してきたが、自立支援法移行後は利用者の生き甲斐、生活、QOLの向上にも力を入れ多くのプログラムを用意し利用者に喜ばれている。従来の法人の理念に付加された新しいサービスの提供は他の事業所のモデルとなっている。

ケース記録の回覧や全従業員参加のメーリングリストで常時情報の共有を図っている:記録をこまめに作成し迅速に回覧している。係会で支援計画に沿って支援が実施されているか確認を行っている。従業員全員が参加するメーリングリストにより利用者の様子を把握し、日常の支援に役立てており、利用者に変化があった場合は即時記録をつくり、回覧し情報の共有を図っている。

 

4.全体の評価講評:さらなる改善が見込まれる点

多岐にわたる障害に対応できるよう専門性のスキルアップを期待したい:組織を支えるのは人であることを踏まえ、福祉の専門性を身につけるため教育、研修を通じて人材育成に努めている。当センター利用者の状況も多様化し、三障害にとどまらず発達障害、高次脳機能障害などの利用者も増える傾向にあり、理解を深める教育研修の必要性を感じている。専門講師を招いての勉強会や外部研修を通じてより重度の利用希望者にも対応できる従業員の支援スキルアップに取組み、障害を共有しながら支援することを期待したい。

利用者支援のニーズ変化に対応できる新たな後継者の育成を加速してほしい:事業所開設から四半世紀が経過し、高齢化や障害の重度化など利用者ニーズは変化している。こうした状況を踏まえ事業所として「公共性」と「地域生活支援」の2つの新たな理念を加えた。一方、事業所の運営を担う次世代の育成を図るべく、ボトムアップでの会議運営や部署間の人事交流など様々な工夫が行われている。後継者の育成は時間や経験を要するので、外部組織との人事交流やマネジメントに関する外部研修なども取入れ、多面的な育成の取組が求められる。

 

5.その他の利用者支援に関する事項の講評(一部)

・福祉の専門資格の取得を奨励し利用者支援に強い組織づくりを推進している

・個人情報データの取り扱いには厳格な管理を求め、実行している

・利用希望者に配慮し、ホームページや機関誌で情報の提供をしている

・定期的なアセスメントを行い利用者の課題を明確にし、情報を共有している

・障害者虐待防止法の研修内容を利用者、家族と共有し、権利擁護の意識を高めている

・体調急変には危機管理マニュアルを活用、全従業員が救命講習を受けている

・個別支援計画書作成では、利用者の主体性と自己決定及び意見を尊重している

・利用者、家族からの貴重な情報提供は日常の支援に生かし、信頼関係と協力体制を築いている

・就労に向けて利用者個々に同行し、職場定着等の支援を行っている

・受注先の開拓に営業部門に充実を図り事業の構築に努力し、工賃等の改善に取り組んでいる

 

全体として大変高い評価をいただいたことについては、少し安心しましたが、更なる改善が求められた項目や、利用者調査で比較的評価の低かった項目については改善計画を作り、公表し、順次取り組んでいくことが必要になります。また今回の調査結果は、東京都「とうきょう福祉ナビゲーション」と、当事業所ホームページにも掲載することにしています。

正月明け、当センターでもインフルエンザ罹患者が出はじめています。風邪とインフルンザは、せきや喉の痛み、発熱するなどの症状は似ていますが、体温上昇の程度が異なるようです。インフルエンザでは発熱するとすぐに38℃を越えてしまいます。朝から38℃以上の発熱があった場合は要注意、無理に通所することは控えてください。特に一人暮らしの人は自身の体調変化に普段から敏感になって、異常があるようならばためらわずに医療機関で診察を受けて下さい。本格的な寒さはこれからです。うがい手洗いを励行し健康管理に気を付けて、元気に冬を乗り切りましょう。

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