1.経営方針
総括
開設して2年目となる指定放課後等デイサービス事業「アリーバ」は、前年度上半期より利用率が90%以上となっており、本年度も引き続き利用率の維持および増加に向け在学中の就労前訓練のためのプログラムを積極的に開発展開し、魅力ある放課後等デイサービス事業運営に取り組みます。
既存の2事業については、就労継続支援B型事業の利用希望の打診はあるものの作業スペースとの兼ね合いで、すべてのニーズにこたえきれない状況にあり、施設外での就労業務の受託にも取り組んでいきます。一方、前年度就労移行支援事業は定員の充足ができない状況において、本年度新卒者の利用が確定しており就労移行のプログラム提供をより積極的に行います。高齢化する家族と同居している利用者が多数いる中、徐々にグループホームへ生活の拠点を移している利用者も増えています。引き続き家族による支援が困難なケースは自立生活を視野に入れた支援計画を策定し、行政や各自治体の生活支援機関と連携して支援していきます。
事業内容や利用者の状況については、「青葉通信」とホームページを通じて広報します。
① 就労継続支援B型事業(定員89名)
定員を超える状況の中、実習依頼や利用希望者の打診も継続しています。本年度も通所が困難な在宅での就労希望者に対応できる体制を構築し、一定数利用者を受け入れる方向で進めます。就労支援事業の売上高は、メールサービス事業を中心に前年度計画を下回ったため、一昨年度に導入した検査機器や本年度導入する印刷機を連動させ、発送作業の精度を高め既存顧客の信頼向上と新規顧客の獲得につなげます。
② 就労移行支援事業(定員6名)
就労支援担当者は管理者を含め3名体制とし、通常訓練場所をB型作業場とします。月に数回のプログラム活動を実施し、企業見学や実習等就職活動に向けて情報提供を行います。また外部実習に参加するなど就職に向けた準備活動を支援し、各自治体の就労支援機関や相談支援機関等と連携・協力して就労及び定着支援を行います。
③ 放課後等デイサービス事業「アリーバ」
就労前訓練というコンセプトがニーズにマッチし、当初目標である平均1日8名の利用については達成しました。今後は利用する児童の年齢が12歳から18歳までの多岐に渡るため、できるだけ個別の年齢やケースに対応した無理のない就労前訓練プログラムの提供に取り組みます。
④ その他の事業
前年度新たに開設された天神山グループホームのバックアップ施設として、連携して生活場面の支援を行います。
2.事業別・部門別事業計画
(1)支援課(総務部門)
① 総務厚生担当
事務センターや所内の各部署等と連携をとりながら、給付費等の請求業務やプログラムの企画と調整、青葉通信の発行、勤怠管理、見学や実習生の受け入れ、入退所の手続き等の多岐にわたる業務を円滑に遂行するとともに、今後も新規利用者の受け入れを積極的に行っていきます。また放課後等デイサービスの従業員と連携し、業務補助や利用者対応に関わるなど協力体制を取ります。
ア 施設運営管理、安全管理、環境整備、受付業務、セキュリティ管理等の業務を行います。
イ 給付費等の請求業務や給与計算等の業務を事務センターと連携をとり円滑に行います。
ウ 見学者、実習生の受け入れ窓口となり、必要な手続きおよび調整を行うとともに、積極的な受け入れを行い利用者確保に繋げます。
エ プログラム活動の推進を円滑に行います。参加希望者や従業員の調整、ボランティアの受け入れ、外部との調整を行います。
オ 顧問医による医療相談、看護師による健康相談の希望者受付を担当します。看護師と連携して健康診断を1回実施します。
カ 安全衛生委員会と連携し、避難訓練の実施に協力するなど防災対策の強化に努めます。
② 放課後等デイサービス事業
「アリーバ」個別支援計画作成の面談などにより家族からのニーズを聞き取り、年齢や障害特性を考慮した無理のない就労前訓練プログラムを提供し、就労への理解を促します。
ア 就労前訓練プログラムの充実を図り、働くことの理解を広げます。
イ 卒業後スムーズに就労に移行できるよう、就労移行支援事業や関係機関と連携します。
ウ 外部の社会資源等と連携し、就労訓練の経験を積みます。
エ 個別支援計画作成の際には、本人や家族の意向に沿った計画書を作成するとともに、学校等の様子も反映させ、無理のない計画書を作成し支援にあたります。
オ 近隣の放課後等デイサービス事業所での体験や外部での研修に参加し、スタッフの支援力向上を目指します。
③ 就労移行支援係(就労移行支援事業)
引き続き支援機関や特別支援学校との連携を強化し 定員の充足を目指します。また、B型利用で一般就労を希望する利用者に対しては、プログラム提供や企業見学などをとおして就労への意識を高める支援を行い、本人の意向と状況に基づき就労移行へのサービス変更を検討していきます。
ア プログラム活動(清掃訓練、ウォーキング、ビジネスマナー習得、面接対策、企業実習など)を実施し、就労準備性を高めます。他部門との連携により、内容の充実したプログラムを提供できるよう取り組み、支援の充実化を図ります。
イ ハローワーク、各地域の就労支援センターなど外部機関との連携を密に行い、就職に関する情報提供や支援体制の構築などを積極的に行います。
ウ 就職した利用者に向けた職場定着支援を行います。就労支援センターや企業との連携を行い、安定して働き続けることができるよう支援します。
④ 三係
係長を支援課長に昇格、三係を支援課に編入します。新規導入印刷機および検査機を連動させた作業ラインを構築することで、利用者の職域を拡大し、情報処理係に集中している出力作業の負荷を分担します。それによりメール作業全般のミス発生予防に取り組みます。
ア 利用者が休まず通所できるよう、関係機関と連携し、体調の変化には迅速に対応し、医療機関や嘱託医と相談しながら、その時々の状況に合わせた利用ができるよう支援します。
イ 生活面での支援が必要になった利用者については、活用できる社会資源の情報を提供し、利用に繋げます。
ウ 清掃に関わる利用者の技術向上を目指し、清掃リーダーを中心に指導にあたります。
(2)営業課
① 営業担当
前年度は、メール作業においてはスポット物の受注が伸びず、利用者が行える作業の拡大がそれほど進まなかったこともあり、非常に厳しい受注状況でしたが、本年度はそれを最重点課題として計画を立て、計画に盛り込んだ受注は確実に確保し、かつ、新規受注や既存顧客からの拡大受注に営業員一体となって取り組んで行くことで、売上高の落ち込みを抑えます。同時に近隣地域での施設外就労業務の受託先の開拓にも取り組みます。入力作業においては、大店舗の会員情報の入力が復活する見通しが立ったことで一定量の受注見込みを立てる目処が立ちました。
ア 利用者が中心に行うことができる仕事は、単価を下げてでも確実に受注します。
イ 新規事業の開拓や既存顧客からの受注拡大に向けて積極的に動き、作業の空きが出ないよう取り組みます。
ウ 検査機を今まで以上に活用し、既存顧客の信頼を得るとともに、新たな受注を目指します。
② 情報処理係(就労継続支援B型事業、A班)
本年度より出力作業に関しては、高速レーザープリンターのリース期限満了に伴う新機種導入により、カラーバリアブル印刷を可能とし、多様な顧客ニーズに対応します。入力作業においては、新規大型受注案件に社会就労事業本部の他事業所と協力し対応します。
ア バリアブル印刷に積極的に取り組み、顧客への新たな提案を可能とします。
イ 既設機器を活用し、出力・検査作業への利用者参加機会を増やします。
ウ 入力作業により多くの利用者が活躍できるよう、作業の細分化や分かりやすいマニュアル提示を行います。
エ 入力以外の作表・集計等の作業にも関われるよう、利用者への教育指導を強化します。
オ 各支援機関との連携により、障害の状態や生活環境の変化に応じた支援・対応を継続します。
(3)事業課
本年度は就労継続支援B型事業を二つの係で実施する。係共通の取り組みは以下のとおりです。
作業活動においては、在庫管理、作業工程の確認により発送作業の精度を高めミスのない作業に取り組みます。利用者を含む全員を対象にプライバシーポリシーについての研修を行い、プライバシーマークを取得している法 人として取引上の信頼関係の構築の重要性を共通認識として持ち、個人情報等の漏洩防止に努めます。メール便配達は、少人数の職員体制にて作業中の安全確保は難しいと判断し前年度に契約を終了しました。そのため現在施設外での就労は近隣病院でのシーツ交換のみのため、今後、近隣地域にて施設外就労の場の開拓に取り組みます。物販事業については、被災地商品および口腔ケア商品「オーラルピース」の販売についてブログや青葉通信等を活用して広報し販路開拓を目指します。プログラム活動は、利用者とその家族の意見や要望を取り入れながら、内容の充実を図ります。各係の計画は以下のとおりです。
① 一係
ア 一般就労を目指す機会を探るため、利用者及び家族等と十分な情報交換を行うことに留意し、希望者には就労移行支援事業への移行を提案していきます。
イ 従業員間でも作業内容の確認を徹底し、ミスロスが無いように注意を払って作業にあたります。
ウ 作業の内作率を高めるため、工務及び部署間の連携・協力体制を充実させます。エ 通所が不安定な利用者については、本人の要望等を受け止めながら可能な限り通所できるよう働きかけていきます。
② 二係
ア ミスロスを起こさないよう従業員間で情報の共有を密に図っていきます。
イ エアコン清掃や床清掃などにチームを組んで定期的に取り組んでいきます。
ウ 一般就労を希望する方に就労を意識した支援を行っていきます。エ 作業環境を整え、手洗いうがいを促すなど衛生管理に努めていきます。
3.組織及び施設・設備等整備計画
(1)組織計画
① 組織・人事(組織図後掲とする)
一係係長の昇格と異動、情報処理室班長、三係係長の昇格を実施し、管理体制と組織運営体制の見直しを行います。
ア 一係係長を課長に昇格の上、東村山市就労支援室へ異動します。
イ 情報処理室班長を係長に昇格の上、一係に異動します。
ウ 情報処理室を情報処理係とし、新任係長を置きます。
エ 三係係長を支援課長に昇格の上係長兼任とし、三係を事業課より支援課に編入します。
② 教育・研修
利用者の加齢に伴う障害の変化や多岐にわたる障害特性を理解し個々の状況に沿った支援が可能になるよう、従業員に外部研修などの参加を促します。
ア 障害者差別解消法や虐待防止法等の研修により利用者の立場での権利擁護について理解を深め、支援レベルの向上につなげます。
イ 障害種別ごとの支援者研修により支援ノウハウの習得に努めます。
ウ 表彰規程に則り、福祉専門職としての国家資格取得を推奨します。
③ 福利厚生
顧問医、看護師と連携を密にし、利用者の心身の健康管理に役立てます。併せて、家族との相談も積極的に推進します。
年間行事として花見、暑気払い、青葉祭、日帰り旅行、忘年会、研修会を実施します。互助会に事業の企画、運営を委託し、利用者が主体的に企画や運営に関わることができるよう支援を行います。
④ 防災・安全・衛生
ア 大規模災害時にも事業継続ができるよう、事業継続計画(BCP)の内容を充実させます。
イ 防災委員会・安全衛生委員会を月1回開催し、職場の安全を確保します。
ウ 防災訓練を年6回実施し、うち2回は総合防災訓練とします。
エ 職場内の安全衛生点検を毎月実施し、事故のない職場作りを目指します。
オ 健康診断を年2回実施し、健康管理に努めます。
カ 危機管理マニュアルを活用し、非常時における利用者対応に努めます。
キ 保存水、非常食等の防災備品の補充を計画的に行います。その際には帰宅困難者の受け入れを想定したものとします。緊急時の食事提供メニューをあらかじめ策定します。
ク 階段避難車イーバックチェア、マンホール対応型トイレ、AED、非常発電装置等の訓練、講習を行います。
(2)施設・設備等整備計画
必要な設備や備品等の購入、更新は当初予算に計上し、事業実績を見ながら執行します。
① 補助金による事業
ア 東京都共同募金会(申請中)・階段避難用イーバックチェア 1セット
② 自己資金による事業
・PC 5台(割賦による購入を予定)
以上が2017年度事業計画概要になります。
新メンバーの加入もあり、新しい体制にて、より魅力的な事業所に出来る様に取り組んでまいります。今後とも皆様からのご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。