1.概況
本年度上半期は新型コロナウイルス感染予防を最重要課題として取り組み、館内のあらゆる活動に伴う3密や飛沫感染防止を徹底するため、カンファスイによるデスク、テーブル、手すりやドア等の清拭、食堂、面談室でのアクリル板や間仕切りボードの設置、食堂や休憩室の時間差利用、従業員立ち合いによる毎朝の検温、手指の消毒の徹底等に全体で取り組んだ。
就労支援事業は、売上計画42,416 千円に対して30,747 千円となり11,753 千円下回った。加工高は計画が22,715 千円に対して17,286 千円となり5,428 千円計画を下回った。年度の初めから、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スポット案件の受注が減少し、売上高、加工高共に目標数字を下回ったが、価格交渉等の営業活動と製造経費削減活動の成果により、加工高比率は目標を超える56.2%に達した。
障害福祉サービス事業の就労継続支援B型事業と就労移行支援事業は、緊急事態宣言が発出された4月7日以後、新型コロナウイルス感染予防の観点により6月まで在宅就労を推奨し、約8割の利用者に在宅支援を提供した。その結果公費収入は85,192 千円となり対前年度比で93.4%となった。放課後等デイサービス事業は、新型コロナウイルス感染症に係る利用自粛の影響により、給付費収益が4,659 千円、対前年度比で58.8%となった。
コロナ禍で各事業収益がマイナスに転じ、上半期の最終損益は-3,014千円となった。損益のマイナスは、期中における従業員の休業と時短勤務に対する、雇用調整助成金の給付によって補う予定である。
2.サービス事業別、部門別状況
(1)サービス事業別状況
期中における在籍者の推移は表2のとおりである。施設利用者は増員1名、減員2名であった。また、期中2名が就職したが就労移行支援事業の利用を継続しながら定着支援に努めた。放課後等デイサービス事業は3月の学校臨時休業と4月の緊急事態宣言で利用を控える利用者が増えたが、5月以降は徐々に利用は回復してきた。期中は2名の新規契約があった。さらなる新規契約者の獲得が下半期に向けての課題である。
(2)部門別状況
①総務厚生担当
コロナ禍において看護師を中心に顧問医や法人本部と連携しながら健康管理に基づく出退勤や利用の可否について慎重に対応した。
プログラムはすべてのメニューを当分の間中止とした。再開について今後慎重に検討していく。
②就労支援事業
営業課営業係では、コロナ禍にあり営業活動が制限される中、作業単価や送料の値上げ交渉を丁寧に行い成果をあげた。営業課情報処理係と事業課では、休業・時短シフトにより生産活動の時間が短縮され、さらに緊急事態宣言下においては在宅支援対応を要する中、品質保持と納期厳守を実行した。
また、ヤマト福祉財団の助成によりディタッチャー(連続帳票断裁機)を、池田輝子記念精神障害者福祉基金の助成によりエアー給紙型紙折り機を購入設置し、生産性向上と利用者作業領域の拡大に活用している。
(3)その他
①組織・人事
事業課非常勤職員を常勤職員として採用した。下半期に組織改編を行うための課題整理を行った。
②教育・研修
法人内研修に、非常勤職員を含む延べ2名が参加した。
ア.外部研修
コロナ禍により研修が中止となり参加できなかった。
イ.内部研修
法人が行う新人研修会に2名が参加した。
③補助事業
東京都共同募金配分金によりオートテーパー3台を購入した。
153 千円
④地域交流
市内の精神障害者関連団体が集うケア検討会、障害者福祉計画推進部会、東村山市内社会福祉法人連絡会などに委員を送り、ネットワークづくりや情報収集に努めた。
⑤定例会議の開催
部課長会(随時)、幹部会(月1回)、全体会議はZoom を利用し9月より再開(月1回)、事業課会(随時)、各係会・ミーティング(月1回)を実施し、方針の周知徹底、利用者支援の課題解決を綿密に行った。また、毎月初めに全体朝礼を館内放送にて行った。
⑥防災・安全・衛生
ア.防災訓練を1回実施した。新型コロナウイルス感染予防のため一斉の訓練を行うことができず、予定回数を下回っているが、安全衛生委員会を定期招集し対策を行った。
イ.職場内の安全衛生点検を毎月実施し、事故のない職場環境を維持した。
ウ.健康診断を実施した。
3.決算見込み
本年度の決算見込みは表1のとおりである。コロナ禍でも、できる限り売上高および加工高確保のため、受注活動に取り組む。各係はミスロスの発生を予防し顧客からの信頼獲得に努める。利用者数の増加と参加率アップのため、新型コロナウイルス感染予防対策に、全体で取り組み安心安全な施設利用を対外的にもアピールしていく。