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2021(令和3)年度 事業報告書

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1.総括
 コロナ禍での事業運営は2年目を迎え、就労継続支援B型事業、就労移行支援事業および6月から立ち上げた生活介護事業の時間短縮を行い、検温や昼食の時間差利用等の感染予防に取り組んだ。短縮した時間分の工賃や給与は、100%補填した。従業員の人件費の補填は、雇用調整助成金の給付を受けた。給付金額は前年の約60%となり、比較すると大幅な減額となった。また期中2度にわたる緊急事態宣言下では、在宅支援を推奨した。前年度は80%の利用であったが、本年度は通所利用の希望者が多く、在宅支援は約15%の利用にとどまった。放課後等デイサービス「アリーバ」においては、学校がほぼ通常の運営となり、利用に大きな減少はなかった。また、本年度も各種プログラムの再開は見送ったが、暑気払いや青葉祭、日帰り旅行やお花見等各イベントは中止ではなく、すべて代替えの企画を実施した。
 障害福祉サービス事業収入は、当初計画204,346 千円に対して172,575千円で、目標に対してマイナス31,771 千円であった。対前年度実績では101.48%、2,472 千円のプラスとなった。就労支援事業は、各種イベントの再開により受注量が回復し、売上高は当初計画6,9281 千円に対して、80,410千円、達成率は116%となり、前年度実績79,578 千円に対しても101%の832 千円のプラスとなった。
 以上の様にコロナ禍において時短による運営を余儀なくされた1年であった。障害福祉サービス事業収入は前年度実績よりプラスではあったが、計画を下回ったことに加え、人件費や施設内修繕費用等の増加と雇用調整助成金の減額により、最終損益が4,175 千円のマイナスとなり、2022 年度に向け、収益の改善のための対応が急務となった。その他の事業として、青葉町グループホームの連携施設として、在宅支援と生活面の支援を行った。また事業運営やイベント等の報告等は、「青葉通信」とホームページを通じて外部にも広報活動を行った。

2.事業状況の概要
(1) 事業実績
① 概況
 本年度のサービス種別の支出、予算対比は表1のとおりであった。当期活動増減差額(損益)は4,175 千円のマイナスであった。前年度は5,889 千円のプラスで、それを大きく下回った。給付費等の収入は前年同期に比べ2,472 千円上回った。部門別では、就労移行支援事業は就労アセスメントの受け入れが12 件あり、前年度より705 千円上回った。就労継続支援B型事業は、コロナ禍の影響もあり、利用率が前年度比94.4%であったため2,190 千円下回った。生活介護事業は定員6名のところ3名の利用であり、当初目標の37.3%にとどまった。放課後等デイサービス事業においてはほぼ通常の学校運営に基づいた利用となり、前年度の102.8%で335 千円上回った。
② 売上高・加工高
 就労支援事業(業務)の状況は表1別表のとおりであった。売上高は80,409千円で、前年度比で832 千円のプラス、前年度比に対する伸び率は101%、加工高は47,221 千円で、前年度比では2,612 千円のプラス、伸び率は105.9%、加工高比率は58.7%で前年度実績56.1%を上回った。



(2) 人員の推移
① 概況
 期中における在籍者の推移は表2のとおりであった。施設利用者は、8名が増員、2名が減員となった。減員のうち一般就労が1名、自己都合が1名となっている。障害のない在籍者は、増員3名、減員2名。放課後等デイサービス事業「アリーバ」では、期中6名が増員となり、減員は7名であった。内訳は児童期終了に伴う退所が7名で期中増減は、1名の減員であった。年度末在籍者の合計は161名であった。
② アセスメント実習
 就労継続支援B型事業を利用する要件を満たすために、就労移行支援事業おいて実施する訓練等給付対象となる実習をアセスメント実習と位置付け実施した。期中におけるアセスメント実習は12 名であった。


(3) 処遇状況
① 給与・工賃
 作業評価表に基づき必要に応じて工賃の改定を実施した。従業員の給与は規程にもとづき改定を行った。賞与は利用者が年間3か月、従業員は福祉・介護職員処遇改善加算分を含め年間4.5 か月を支給した。
② 福利厚生
 8月6日に暑気払いを互助会主催で実施した。10 月9日に青葉祭の代替え企画として事業所 内で「木工スマートフォン立て」手作り体験や他事業所や本年度スタートした生活介護事業で作成した自主製作品の販売会を行った。11 月12 日に日帰り旅行の代替え企画として、事業所内をめぐり、各地お土産品の販売会とストラックアウト等のゲームやジェットコースターのVR体験を行った。12 月4日には午前中に「プライバシーマーク研修会」行い、お昼はお弁当とミネストローネスープ、ケーキをいただき、ビンゴ大会と生活介護事業作成自主製作品の販売会を行い、クリスマスシーズンの忘年会を楽しんだ。3月25 日にはお花見の代替え企画として仕出し弁当の昼食と宝探し釣りゲームを行った。
 プログラムは、新型コロナウイルス感染予防の観点により中止とした。
③ 苦情申し立て状況
 期中に苦情の申し立ては無かった。

3.サービス事業別、部門別状況
(1) 支援課(総務部門)
 事務センターや所内の各部署等と連携をとりながら、訓練等給付費等の請求業務や青葉通信の発行、勤怠管理、実習や見学者の受け入れ、入退所の手続き等の多岐にわたる業務を円滑に遂行するとともに、新規利用者の受け入れを行った。支援課長が総務担当として在席し業務に参加したことから、課長を中心に相談体制を置き連携して業務を遂行した。放課後等デイサービス事業「アリーバ」と連携し、見守りなど必要に応じてサポート体制をとった。医療専門職として看護師が中心的な役割を担い利用者や従業員含めて健康管理に努めた。
① 総務厚生担当
(ア) 施設運営管理、安全管理、環境整備、受付業務、セキュリティ管理等の業務を行った。
(イ) 給付費等の請求業務や給与計算等の業務を事務センターと連携をとり円滑に行った。
(ウ) 新規利用者、見学者の受け入れ窓口となり、必要な手続きおよび調整を行うとともに積極的な受け入れを行い、利用者確保につなげた。
(エ) 特別支援学校や地域活動支援センター等からの紹介を受けた実習生の窓口として、実習を行う部署との調整を行った。
(オ) 就労移行を目的とした利用者に対し、事務補助業務の就労訓練の場所として実践経験を積めるよう総務受付の環境を提供した。
(カ) 健康診断を実施した。また、看護師による健康相談、日々の健康管理業務、顧問医による医療相談を行った。
(キ) 新型コロナウイルス感染防止策として、事業所入り口および各フロア入り口に消毒スプレーを配置し手指の消毒を徹底した。検温や食堂入り口での手指の消毒、休憩室・作業室等共有スペースのアクリル板や間仕切りボードの設置、および時間差利用と清拭を徹底した。タイムカード打刻機を2か所に設置し、出退勤時に3密にならないよう配慮した。またサービス提供時間や在宅支援についての情報提供を行い、来客・業者への感染予防対策への啓発、発熱などの体調確認を徹底した。
② 放課後等デイサービス事業「アリーバ」(定員10 名)
(ア) 本年度の新規契約者数は6名、途中退所者0名であり、年度末の契約者数は27 名となった( うち高校生20 名、中学生7名)。毎月の利用者延べ人数は平均102 名であった。
(イ) 年度末には高校3年生7名が利用終了となった。進路先については、一般企業、就労継続支援B型事業所であった。
(ウ) 6月には有志参加のイベントを開催した。保護者、卒業生も対象として案内し交流を図った。在校生7名、卒業生13 名、卒業生家族2名の総勢22名が参加した。
(エ) 夏休み期間のプログラムとしてビンゴ大会を行った。
(オ) 保護者・従業員共に実施した放課後等デイサービス自己評価アンケートの集計結果については、ホームページでの公表を行った。また保護者向けに集計結果表の配布を行った。評価については概ね高評価であった。
(カ) 保護者や関係機関との連携を継続した。必要に応じて保護者同意の下、学校担任との情報共有やカンファレンスを実施した。
(キ) 就労前訓練プログラムについては、利用者の特性や個別支援計画に基づき提供した。
(ク) 前年度同様に新型コロナウイルス感染症拡大の社会的状況を鑑み、企業見学とグループホーム見学は中止とした。
(ケ) 個別支援計画書作成については、本人や保護者の意向に沿った内容となるよう、年2回の保護者面談を実施し、学校や家庭での様子も反映させ無理のない計画を作成した。
(コ) 従業員研修については、虐待防止研修とプライバシーマーク研修、並びにヒヤリハットについての理解を深める研修を行った。
③ 就労移行支援事業(就労移行支援担当)(定員6名)
 利用者2名に対して移行プログラムの提供、企業見学や企業実習への取り組みを積極的に支援した結果、1名が就職した。就職者に対しては各自治体の就労支援機関や相談支援機関等との連携を図りながら、定着支援を行った。
 コロナ禍において就職活動が制限される状況があり、サービス提供期間を有効に利用するため、就労継続支援B型に一時的にサービス変更するなど多機能ならではの柔軟な支援に努めた。
④ 三係
(ア) 市の関係機関により構成されている精神保健福祉ケア検討会に参加し、他の精神障害者支援事業所との学習会や情報交換等により対応力の強化を図った。
(イ) 効率的かつ効果的な手法を探索・確立し、適切な相談支援業務を行うことに努めたが、取り組みが不十分であった。
(ウ) 他係と連携した作業指導や、社会生活を良好に行うための訓練では、ラインで行う組み立て作業など連携した作業指導を行った。
⑤ 生活介護
(ア) 生活の質(QOL)の向上のため、本人の好きなこと、得意な部分を見つけることを意識し、各々が楽しくやりがいを感じられる活動を行った。
(イ) 利用者個人の希望を尊重し活動内容について、毎日、確認を行い取り組んでいただいた。
(ウ) 毎日、利用者のその日の様子と気づいたことを記録し、必要な情報は速やかに職員間で共有し日々の支援につなげた。

(2) 営業課(営業係、情報処理係)
 営業係では、期中に営業員1名の増員と期末に嘱託再雇用の営業員1名の離職があった。情報処理係は、営業係長の兼務係長としての就任と、期首の非常勤職員1名の配属による人員強化により、特に利用者支援力が充実した。
① 営業係
 本年度は2年目のコロナ禍にあって、イベント関連DM受注量の回復や梱包作業受注の増加により、売上高は前年を上回り、対計画売上達成率は116.6%となった。また、継続して行っている作業料・配送料・保管料等の値上げ交渉により、加工高は前年を大きく上回る結果に繋がった。
② 情報処理係
 これまで発生したミスの再発防止の為、随時マニュアルやチェックシートの見直しを行い、作業ルールについても同じ認識になるよう周知しながら取り組んだ。入力作業において、それぞれの役割分担が出来るようチームを作ったことで、より多くの利用者が活躍することが出来た。また、作業範囲を広げるため、事業課とも連携し、入力作業以外の作業にも取り組んだ。

(3) 事業課
 支援課三係の設置に伴い、事業課各係では人員配置の大幅な変更があった。今回の大幅な配置換えは、利用者ケース担当おいても作業担当においても、属人化を解消できた。
① 一係
(ア) コロナウイルス対策として、日々、施設内の消毒や、朝礼等で手洗い、マスクの着用、3密回避を呼びかけ感染予防に努めた。
(イ) ミスが起きないよう作業標準書を使用し基本を徹底して作業に当たった。未作成の標準書については今後作成を進めていく。
(ウ) 梱包での段ボール作り等、メール作業以外でも利用者が作業に関われるよう取り組んだ。
(エ) 前年度入れ替えた、折り機とバースター( 連続帳票断裁機) のオペレーター育成を行った。② 二係ア 作業標準書を使用し、配置替えに伴う引き継ぎとミス防止に取り組んだ。イ 利用者の特性に合わせ作業手順や声がけを工夫し、作業の幅が広がるよう支援した。ウ フロアのレイアウト変更を行い、個々の最適スペースを確保しつつ、作業スペースを拡大した。エ 利用者のケース対応を主担当者の独善的支援とならないように、係のすべての従業員が協力して行った。

(4) その他
① 組織・人事
(ア) 常勤1名がコロニー東村山へ転勤、1名が嘱託再雇用期間終了のため退職した。常勤3名、非常勤1名を採用した。
② 教育・研修
(ア) 外部研修令和3年度 精神保健福祉研修(精神保健福祉基礎研修3)に1名参加した。イ 内部研修法人が行う新人研修会に4名を参加させた。事業所内にて従業員全員対象で虐待防止研修とプライバシーマーク研修を行った。
③ 設備
(ア) 自己資金による事業として以下の設備を導入した。
a.3階作業フロア空調機の老朽化により更新工事をした。3,800 千円
b.各フロアのトイレを修繕した。645 千円
c.隣接企業と共同で玄関付近の舗装打ち換え工事をした。875 千円
(イ) 補助事業
a. 中央競馬馬主社会福祉財団の一部補助を受け、利用者用ロッカーを購入した。336 千円
b. 東京都共同募金会の一部補助を受け、レーザープリンターを購入した。115 千円
c. 三菱商事の寄付金よりパソコン用SSDを、企業の寄附金により、利用者用イス・利用者用ロッカーをそれぞれ購入した。331 千円
④ 地域交流
 市内の精神障害者関連団体が集うケア検討会や、東村山市保健福祉協議会「障害者福祉計画 推進部会」などに委員を送り、ネットワークづくり、情報収集に努めた。
⑤ 定例会議の開催
 部課長会(随時)、幹部会(月1回)、全体会議(月1回)、各係会、安全衛生委員会などを実施した。各会議において、方針の周知徹底、利用者支援における問題解決を綿密に行った。本年度はコロナ禍のため、全体会議は事業所内にて2階作業フロアにて間隔をあけて開催した。毎月の全体朝礼は集合せず各フロアにて館内放送で行った。
⑥ 広報活動
 年4回発行の広報誌「青葉通信」に事業報告や事業計画、イベント報告、プログラム報告、アリーバからの報告頁「アリーバ通信」、「看護師だより」、利用者からの投稿による「みんなの広場」等の記事を掲載し、ブログ(ホームページ)も活用して広報活動を行った。
⑦ 防災・安全・衛生
(ア) 大規模災害時にも事業継続ができるよう、事業継続計画(BCP)の改定を順次行った。
(イ) 防災訓練はコロナ禍により、1回の実施にとどめた。避難器具「イーバックチェア」の内部講習を実施した。
(ウ) 職場内の点検を実施し安全衛生委員会にて報告。事故のない職場環境を維持した。
(エ) 秋の健康診断を実施した。
(オ) 保存水、非常食等の防災備品の補充を計画的に行った。利用者人数の増加に伴い簡易で食し易い保存食の備蓄に切り替えるなど工夫した。
(カ) 顧問医による相談を毎月実施するとともに、看護師による健康相談を実施した。
(キ) 新型コロナウイルス感染症予防対策として、出勤時にフロア内の手が触れる箇所並びに昼食時に利用者の手指の消毒を行い衛生管理に務めた。
(ク) 専用スタンプを利用し手洗い練習を行うなど、感染症予防の啓発と向上に努めた。

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