2012.11.01
青葉通信11月号 巻頭言
事業所長 武者明彦
11月に入り、朝晩は冷えこむ日も多くなってきました。仄かな香りをたどって顔を上げると、形よく整えられた満開のキンモクセイがすぐ頭上に咲いています。庭植えの花木にも流行り廃れがあるのでしょう。キンモクセイは歴史のありそうな庭に多いようです。
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芸術の秋ですので、本稿ではこの秋に開催される、東京コロニーの「アートビリティ」関連事業の催しについてお知らせします。「アートビリティ」については、毎年カレンダーの購入を通じてご協力いただいているのでよくご存知の方も多いと思いますが、改めてご紹介いたします。「アートビリティ」は障害者の自立を支援する東京コロニーが、アートの分野でも彼らの持っている才能を活かし、収入に結びつけることを目的に始めた事業です。1986年に「障害者アートバンク」としてスタートしましたが、2001年に「才能に障害はない」を合言葉に「障害者」の冠を外し、アートの可能性という意味を込めた造語の「アートビリティ」と名称変更しました。事務局のあるコロニー中野には、毎年全国から意欲的な作品が数多く届けられていますが、それらの中から審査を経て登録された作品をデジタルライブラリとして保管し、有料で貸し出すことによって作者に使用料をお支払いするというシステムになっています。現在約200人の作家による3200点ほどの作品が、常時閲覧できるようになっており、出番を待っています。この秋、「アートビリティ」を巡り4つの大きな出来事があるので、以下にご紹介いたします。
Artbility meets 10 designers(アートビリティミーツ10デザイナーズ) 展
日本グラフィックデザイナー協会会員の10人のデザイナーと、アートビリティ登録作家とのコラボレーション企画展が開催されます。この出会いによって、アートビリティ作品が大判のポスターとブックカバーとして表現されることになっていますが、どのような作品に仕上がっているのか楽しみです。合わせて原画展示も開催されます。●期間:10月30日(火)から11月21日(水)、午前11時から午後7時●会場:クリエイションギャラリーG8(リクルートGINZA8ビル1階、銀座8丁目)●日曜・祭日休館●入場無料●主催:リクルートクリエイションセンター クリエーションギャラリーG8
キラキラっとアートコンクール
アートビリティとの出会いを通じて、障害のある子供たちの可能性を応援したい、との想いからうまれた巡回展です。2002年にスタートし、今年11回目を迎えました。全国から多くの作品が寄せられ、審査会を経て優秀賞を選出し、札幌から福岡までの全国6会場で展示を行います。応募者の中から12名がアートビリティの登録作家となり活躍しています。●期間:10月26日(金)から2月24日(日)、会場:横浜、大阪、札幌、福岡、仙台、東京○横浜会場:10月26日(金)から10月28日(日)、午前11時から午後6時、会場:ランドマークプラザ3階○東京会場:2013年2月22日(金)から2月24日(日)、午前11時から午後7時、会場:丸ビル1階マルキューブ●入場無料●主催:三菱地所株式会社
アートビリティ大賞作家展
東京コロニーは、毎年アートビリティ登録作家の中から、その年度最も活躍した作家に賞を贈呈しています。今年も11月16日に、ユーザーや作家、デザイナーなど関係者、協賛企業の皆さんが一堂に会し、贈呈式が行われます。それと合わせて受賞者の原画展示を行います。●期間:2012年11月15日(木)~18日(日)、11:00~19:00(最終日は17:00まで)●会場:練馬区立練馬文化センター(西武線・大江戸線 練馬駅前)●入場無料●主催:東京コロニー
2013年度版アートビリティカレンダー
来年のカレンダーが出来上がりました。今年もご好評をいただいている越前鳥の子和紙を使用し、7点のアートビリティ作家の力作が色鮮やかに再現されています。一年を通じてお楽しみいただけるアート作品ですので、ぜひお申し込みください。●価格:税込み1,000円(50本以上ご注文いただける場合は名入れが出来ます)
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今回はアートづくめでしたがいかがでしたか。これからは気持ちの良い日が多くなります。秋の一日、どこかの会場にぶらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。きっと新鮮な出会いが待っていると思います。(詳しくは、当センター従業員にお尋ねください)