コロニー東村山の書籍等デジタル化事業内容の紹介①

当事業所では、新規事業として2021年度より書籍等デジタル化事業を開始いたしました。
これまで印刷事業で培ったノウハウを生かしつつ、利用者の皆様に活躍の場を広めたい一心で新たな事業へとチャレンジした次第です。
障害者施設では全国初となる事業参画でしたが、おかげ様で2023年度までに官公庁様、民間企業様など、多数のお客様にご発注いただきました。

そもそも書籍等デジタル化事業ではどんなことをするのか?
デジタル化と一言で申し上げても、様々な方法がありますが、今回は原資料非破壊方法について紹介させていただきます。

書籍等デジタル化事業ではその名の通り、書籍や図面などの貴重な紙媒体原資料の情報を、専用のスキャナーでのスキャン(撮影)により電子データ化し、ご要望に応じた形で納品いたします。

デジタル化を行う理由はお客様ごとに様々です。
劣化による情報の消失を防ぐため、デジタル化することによるメリット(省スペースや情報活用の活性)を生かすため等、そのご希望をご相談いただき、ご要望に応じた形を提案させていただく場合もございます。

ここよりデジタル化(原資料非破壊方法)の基本的な流れを説明させていただきます。
お客様からデジタル化する原資料をお預かりした後、まず最初に行うのは事前確認です。
事前確認では、お預かりした原資料の数量や状況を確認し、破損状態や資料形態をはじめとしたスキャンする際に必要な情報を抽出します。


事前確認を終えると、いよいよスキャンとなります。
お預かりした原資料を丁寧に扱いながら、事前確認で抽出した内容を参照し、黙々とスキャンを進めていきます。

次の工程は、スキャンしたデータに何か問題がないかどうかチェックを行う品質検査です。ここでは作成した画像データにゴミやホコリが写っていないか、傾きやピンボケ、撮りモレや重複撮影がないかなど、検査項目は多岐に渡ります。

品質検査後はご要望に応じたデータ作りです。
納品画像形式への変換や、目次の作成、書誌情報(著者名や発行日などのメタデータ)作成など行います。そして、お客様のご希望する媒体にデータを格納し納品、お預かりした原資料の返却となります。

デジタル化事業は、これからの社会福祉に大きく貢献できる仕事です。
なぜなら、誰もが平等に必要な情報を得られる環境を整えることにつながるからです。書店や図書館の利用が困難な方々も、情報の受け取り方の選択肢が広がります。

またデジタル化事業は、印刷事業同様に多くの作業工程があるため、障害がある方にとって多くの活躍の場がある仕事になります。
当事業所でも、やってみたい、挑戦したいという利用者の皆様のお声を多くいただき、広く皆様に関わっていただけるように、スキャンや他工程を体験してもらったりしています。

昨今デジタル化の流れが大きくなる中、お客様の様々なご要望に応えられるよう、またさらなる受注拡大に向けて、デジタル化事業係を中心に事業所一丸となって邁進していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

デジタル化事業係 KM