2019年、亥年新年のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。

新しい年を迎えるこの時期は、今年度の事業結果を気に病む時期でもあり「こころ穏やかに新年を・・・」とはいかないことも本音です・・・と毎回年頭のご挨拶の枕に述べさせていただいていますが、今年も同様で、12月までは数字的には順調ですが、3月決算が終了するまではやはり気をもむのは否めません。残り3カ月全従業員、利用者の先頭に立ち奮闘したいと思います。

いよいよ平成の時代もあと4か月となりました。本来であればコロニー東村山の30年を振り返りみなさまにご紹介するところではありますが、ちょっとはしょって10年間の大まかな事業状況について簡単に触れたいと思います。

売上高、加工高、加工高比率、損益等については表のとおりです。とりわけ売上高の減少は統計の初期は毎年2億円となっており、それ以降も1億~3千万円の減少が続いております。平成最終年度である今年度の見込も同様で前年度比△30,000千円にはなりそうです。売上高の推移を見ただけでも愕然としますが、依然として就労支援事業(印刷事業等)は予断を許しません。この間、設備等については必要最小限に止めながらも省力化を図りランニングコストを削減し、どの部署でも欠員後の補充を抑えるなど、毎年毎年の固定費削減の結果が現状の結果に至っていると思います。

迎えた新しい年は、新しい年号の年であります。新しい時代の始まる年として皆さまの期待も大きいと思います。コロニー東村山も新しい時代にふさわしい事業計画予算を作り上げ、コロニー東村山に関わる全ての方と大いなるスタートを期すことを約束したいと思います。

所長 星   忍

エピソード2018「命を繋ぐ」

「こんな夜更けにバナナかよ」と同じ障害をもつおじさん障害者を紹介するつもりで、10数年前「今宵も深夜劇場で…」とのタイトルで「リハビリテーション」の作品募集に応募し、思いがけず賞(二等賞副賞○万円)を貰ったことがある。受賞の理由はテーマと登場する障害者の生活がユニークなものだったからに他ならない。

昨年暮れ、そのモデルになったおじさんが緊急で入院した。わずか一月まえのことだが、この間の彼を巡る支援者の数々の役割を目の当たりにして、私たちコロニーが日々やっていることは、まさに命を繋ぐ一端を担う仕事なんだと認識を新たにすることとなった。

医療的に病気が回復すれば退院することは当然かもしれないが、障害者は簡単ではない。入院当初、家族と一緒に主治医の話を聞く席にいたが、障害から予想される可能性のひとつと前置きされたその後の生活を考えたとき、彼とのこれまでのいきさつからも、ことによっては仕事を辞めてでも…と覚悟したほど、自分の中で選択肢がなかった。

そんな中、退院に向けたカンファレンスでは、計画相談、病院のPT、CW、区のCW、訪問看護、居宅、日中の支援者等、10人以上の人が何回も集まって検討していただき、サービス時間の増、ヘルパー事業所の手配、車いすの改善等、短時間にどんどん決まっていった。日常の業務で責任ある立場にいながらそんな認識だったのか、とお叱りを受けそうだが、現場に居合わせたことで実感することとなった。あらためてコロニーを利用する全ての人の命を繋ぐとの思いで日々の業務に向かいたい。

本人はもちろん関係者の努力もあり幸い元気に退院することができ新年を自宅アパートで迎えた。流石に深夜劇場に再登場は難しいかもしれないが、バナナ食いてぇくらいは…了解です。

(ほ)