障害者虐待防止法学習会報告

 
少し前になりますが、2012年9月11日に東京コロニー主催の従業員を対象に開催された「障害者虐待防止法学習会」が、仁科豊顧問弁護士を講師にお招きし、中野サンプラザで行われました。その感想のひとつをご紹介します。

「虐待をしていませんか?」と問われれば、誰もが「していません」と応えるだろう。
「日常の中で虐待では?と感じたことはありませんか?」の質問にはどうだろう。

「あの人のやっていることは度が過ぎてないかなぁ」
「あの言い方では相手に通じてないんじゃないかなぁ」
「さっき言ったでしょう」
「きつく言うとしばらくはおとなしい」…

そうした一つ一つのことがすべて虐待に相当するとは言えませんが、どこでも虐待は起こりうると認識する必要があるのではないか。指導や叱責と虐待の境界は微妙で、利用者に社会性や必要な習慣等を何とか身につけてもらいたいと思うことは支援者として誰もが願うこと。問題はそのやり方で、強い口調で怒鳴ったり、無理にやらせたりすることは恫喝と変わらないと考えるべきで、そうであれば虐待となります。学習会でも強調されていたように、法律の目的は虐待の線引きをし「犯人捜し」をすることではなく、障害者の人権を侵害しないようにすることにあるので、支援者側には虐待にいたらないように未然に防ぐこと、小さいうちに対処することが求められているのです。

重要な視点として、虐待しているかどうかの「自覚」は問わない。障害者本人の「虐待されている」という「自覚」も問わない。本人や家族の「面倒見てもらっているのだから、少々のことは我慢する」「少々厳しくしても結構です」という気持ちを免罪符にしない。障害特性からパニックを起こしたり、自傷他害の恐れがあったり、大声をあげたり、走り回ったりと、本人や周囲の利用者・職員等の安全や健康を害する行為に及ぶ場合は、もちろん安全を最優先に対処(拘束等)すべきは当然ですが、それについても障害特性から予想されることであれば、事前の了解や同意が必要とされ、許される時間や方法など必要最小限に止めるための規定も法律では示されています。そうした行為に及ばないためその人の人権を尊重した対応かどうか、支援の内容の一つ一つを常に検証しながら、チームで事の良し悪しを判断することが求められています。そうした人権意識や虐待に対する問題認識等の理解や資質の向上は、OJTや内外の研修の時間に比例するものだと思うので、継続した研修が必要であると思います。

(コロニー東村山副所長 星 忍)

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