新元号「令和」時代が幕を開けました。コロニー印刷では、年月日が掲載された印刷物を多数扱っており、元号表記に関するミスがないよう、しっかりチェックしながら作業を行っています。
さて、「令和」という元号が発表されたとき、官房長官が掲げた書を見て、「おや? いつも書いている令の字と少し違う?」と感じられた方はいらっしゃいませんか?
コロニー印刷でよく使用しているフォントで「令和」と表示してみましょう。「令」の字のフォントには、大きく分けて2種類のデザインが存在しています。
●「令和」をいろいろなフォントで表示してみる
印刷物にはさまざまなフォントが使用されていますが、本文書体に多く使用されている「明朝体」や「ゴシック体」では、ほとんどの場合、「令」の字の3画目が横棒、5画目が縦棒にデザインされています。当ホームページで表示される文字も、特別な指定をしていなければ、こちらのデザインになっていると思います。手書きの文字を見る機会が激減している昨今、ふだん見慣れている「令」の字はこちらかもしれません。官房長官が掲げた書も、明朝体フォントに近い形でした。
一方、教科書体や楷書体のフォントの多くは、3画目を点に、4画目と5画目を合わせて「マ」となるようにデザインされています。手書きの場合は、こちらのタイプの文字を書く方が多いかもしれません。
それでは、どちらの形が正しいのでしょうか? 平成28年に文化庁より発表された「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について」という文書内にも「令」の字への言及があります。同指針では、「字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば、誤っているとはみなされない」という考え方を取っており、「令」の字における相違についてもバリエーションという捉え方をしています。つまり、どちらも正しいのです。
しかし、どちらでも意味は同じと言われても、印刷物の場合、文字を単なる記号として割り切れない場合もあるかと思います。コロニー印刷でも、たとえば「令子」さんと印字する際、「文字はこちらのデザインにしてほしい」とリクエストをいただくことがあります。そんなときは、より近いフォントを探すか、もし見つからなければ「作字」といって、パソコンで文字を作ることもあります。
コロニー印刷では、これからもお客様のお気持ちによりそった印刷物を制作して参ります。