一冨士フードサービス株式会社さんにインタビュー(後編)
前編に引き続き、「一冨士フードサービス株式会社さんにインタビュー」の後編を掲載します。
個人的に苦手な食べ物はありますか?
Sさん:私は韓国人ですが、辛い物が苦手で…「カレーや麻婆豆腐を辛く作ってほしい」と頼まれたときは、最初は大変でしたね。
Tさん:私は特に好き嫌いはないのですが…でもグリーンピースは苦手ですね。
Sさん:食堂を利用される方にも、豆類やネギなどは苦手な方がいらっしゃいますね。
どのようなところにやりがいを感じていますか?
Sさん:そうですね、自分の周りにはもともと障害を持っている方がいなかったので、この仕事を通じて初めてそうした方々と接することができました。日本に来て一番驚いたのは、車椅子の方が一人で外出したり、バスや電車を使っている光景でした。自立している姿を見ると、日々励まされますし、自分も頑張らなければと感じます。お客様から「美味しかった」と言われると、やはりやりがいを感じますね。
Iさん:私は家族に足の不自由な者がいたのですが、食堂などで通路が狭いと不都合を感じ、あまり外食に行きたがらない人でした。そういうこともあり、車椅子の方などがスムーズに着席し食べて帰れるように、なるべくお待たせないようにということを心掛けています。それができたときは「よかったな」と思いますね。
Tさん:長く勤めていると、利用者さんの名前や顔が自然と覚えられるようになります。次第にコミュニケーションが増えていき、話しかけてくださるとうれしく感じます。
これまでの仕事で困ったエピソードはありますか?
Sさん:以前炊飯器が故障したときは大変でした。ガス釜の火の調節ができなくなり、手作業で炊き具合を調整するのですがなかなかうまくいかず苦労しました。
委員:大変でしたね…しばらく試行錯誤されていたのですね。
Sさん:そうですね、当時は施設の建て替えの話もあったので、新しい設備を導入するべきかどうか判断が難しかったんです。最終的に、新しいものに交換してもらってようやく業務が安定しました。
昔と今とで印象が変わったなと感じることはありますか?
Sさん:設備や環境は、10年経ち慣れましたね。当初は戸惑うこともありましたが、現在はそれを意識することもなく業務を行うことができています。
Iさん:大きな変化はないと感じていますが、先ほどお話が出ていたように、利用者さんや職員の方の名前や顔を覚えてきてお話しできるようになったことは、入ったときより変わったかなと思います。
Tさん:入った当初は何も分からない状況でしたが、徐々に利用者さんとの関りを持てるようになるなど、自分自身が変わってきたと感じるようになりました。今は楽しく居心地よく働かせてもらっています。
最後に、給食を利用している方へメッセージをお願いします
Sさん:日々楽しみにしてくださる方々がいるおかげで、そのおかげで私たちも働くことができています。ありがとうございます。
Iさん:毎日元気に食べに来てください。
Tさん:健康第一で、元気に食堂にお越しください。
委員:本当にみなさん給食を楽しみにしていますよね。本日はお時間をいただきありがとうございました。
今回は、一冨士フードサービス株式会社さんにお話を伺いました。昼食は、職場の楽しみのひとつだと思います。「明日のメニューは〇〇だよ!」「今日も大盛を食べました」など、利用者さんとの会話に給食の話題は尽きません。そういった楽しみを提供するために、日々安全であること、食べやすいこと、スムーズに利用できることなど細かな工夫がなされていることがお話を通じてわかりました。私たちが普段給食を何気なく利用できるのは、給食を作ってくださっている方のそうした心遣いがあってこそだと思います。今度給食を利用するときに、今回のお話を思い出してくださればと思います。